東電議決権、国が過半数取得へ 政府・与党

栃木県立博物館は12日、宇都宮市東部の鬼怒川河岸から、約1千万年前(中新世)のクジラの化石が見つかったと明らかにした. 頭から尾までの骨格がほぼ完全な形で出土しており、全国的にも珍しいという. 博物館によると、ナガスクジラの一種とみられ、全長約8メートル. 鬼怒川西岸近くの川底で、渇水期に一部が露出しているのを化石愛好家の男性が見つけ、博物館に知らせた. 海のない栃木県内でクジラの骨格が見つかったのは1978年以来. 県立博物館の柏村勇二特別研究員は「指の骨や耳石につながる小骨など、めったに出土しない細かい骨がまとまっている. 極めて珍しい産出形態. 入り江に迷い込んだクジラが死んで水底に沈んだが、死肉を食い荒らすような生物もいなかったのではないか」と話している. 当時の栃木県は海の水が引き始めた時期で、入り江に植物性プランクトンが大量発生し、生物の住みにくい時代だったとみられるという. 県立博物館は早ければ3月末から、館内で特別展示を実施する. 東京電力の経営に国がどの程度かかわるかを巡り、政府・与党は国の議決権比率を過半数とする方向で調整に入った. 当初は3分の1程度にする案もあったが、東電の経営を支配して企業体質の抜本改革に取り組むには過半数確保が欠かせないとの判断に傾いた. 政府は、東電が福島第一原発廃炉費用などがかさんで債務超過になるのを防ぐため、原子力損害賠償支援機構を通じて1兆円規模の出資をおこなう方針だ. 買い入れる株式については議決権のある普通株のほか議決権のない優先株などの選択肢もあり、経営に口出しできる議決権をどれぐらい持つかが焦点だった. 複数の政府・与党関係者によると、国は議決権のある東電株を5割超取得する方向で検討に入った. 議決権比率は51%程度が想定されている. 議決権つき株式に、将来的に議決権のある株式に転換できる権利がある優先株を上乗せし、出資比率は計3分の2超とする方向だ.