日本独自の制裁検討へ 首相「発射は重大な

原発事故に対応する防災指針について、国の原子力安全委員会が6年前に国際基準見直しに合わせて改訂しようとしたが、経済産業省原子力安全・保安院が強硬に反対していたことが朝日新聞が情報公開請求した文書でわかった. 改訂は防災域の拡大や重大事故に即時対応するための区域の新設をする内容. 実現していれば東京電力福島第一原発事故による住民への影響を軽減できた可能性がある. 安全委は2006年3月、国際原子力機関(IAEA)が加盟国に示した基準の見直し(07年に最終確定)に合わせて防災指針を改訂しようと作業部会を設置. 原発から半径8~10キロ圏内の防災対策重点地域(EPZ)を廃止し、半径30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に拡大することが課題になった. 半径約5キロ圏に、電力会社が重大事故を通報すると同時に住民が「即時避難」する予防的防護措置準備区域(PAZ)を設置することも検討項目になった. 公開文書によると、保安院から安全委に同年4月下旬、「社会的な混乱を惹起(じゃっき)し、ひいては原子力安全に対する国民不安を増大するおそれがあるため、検討を凍結していただきたい」と申し入れる文書が届いた. 財政的支援が増大するという懸念も挙げられていた.

野田佳彦首相は13日午後の衆院本会議で「今回の発射は我が国を含む地域の平和と安定を損なう安全保障上の重大な挑発行為だ. 国連安保理決議に違反する. 容認できず、北朝鮮に対して厳重に抗議し、遺憾の意を表する」と語った. 首相は安全保障会議で、安保理での対応を含め関係国と緊密な連携を図るよう指示. 日本政府は関係国に北朝鮮への新たな安保理決議を採択するよう働きかけを強める方針だ. また、藤村修官房長官は記者会見で、北朝鮮に対する日本独自の新たな制裁措置について「検討する」と表明した. 梅雨前線の影響で16日、九州を中心に大雨が降り、被害が出た. 大分では男性が増水した川で死亡した. 大分県佐伯市直川仁田原の久留須川(幅20メートル)で午後2時半ごろ、近くの農業簀戸展(すど・ひらく)さん(69)の遺体が見つかった. 妻から「田んぼを見に行ったまま帰って来ない」と通報があり、警察や消防が捜していた. 川は増水して流れが急になっていたという. 熊本県と鹿児島県では計5棟が床上浸水、102棟が床下浸水し、4世帯が自主避難した. 熊本市南区城南町の九州自動車道下り線で午前8時50分ごろ、土手が高さ約11メートル、幅約30メートルにわたって崩れ、バスが土砂に乗り上げた. サッカーJ2ロアッソ熊本ユースの高校生ら36人が乗っていたが、けがはなかった. 大分市高城西町では午後2時ごろ、住宅の裏のがけが幅約15メートル、高さ約30メートルにわたって崩れ、この家の3人が避難した. JR九州によると、九州新幹線は19本が運転を一時見合わせ、11本が遅れるなどして約6千人に影響が出た. 西日本高速道路によると、九州道の南関―人吉インターチェンジ間など各地で通行止めが相次いだ. 気象庁によると、降り始めからの総雨量は鹿児島県薩摩川内市甑島で349ミリ、熊本県芦北町で319.5ミリ、宮崎県えびの市で305.5ミリに達した. 17日も局地的に激しい雨が降るおそれがある.